【東日本大震災】「逃げて」伝えず悔い 母ら3人捜して

宮城県名取市の閖上(ゆりあげ)地区を襲った津波は、実家にいた両親と祖母、そして生後7カ月の長男までをもさらっていった。   仙台市若林区の会社員、竹沢さおりさん(35)は、うずたかく積もったがれきをかき分け、家族の痕跡を探す。   津波の直前、母から安否を尋ねるメールがきたのに、本社との連絡などに追われ返信できなかった。悔やんでも悔やみきれない。「あの時『逃げて』と...

【東日本大震災】母を失った6年生の女の子 お母さんの分まで生きる…形見の指輪と修了式

友達と再会し、笑顔を見せる美咲さん。 右手薬指で母の形見の指輪が光った 宮城県石巻市立渡波小で2011年3月24日のこと 津波で壊滅的な被害を受けた宮城県石巻市渡波(わたのは)町の市立渡波小(児童数453人)で24日、10年度の修了式が行われた。   安否不明だった母の死が22日に分かったばかりの6年、中野美咲さん(12)は、母の形見となった指輪と紺色...

【東日本大震災】夫の最後の贈り物、指輪に誓う「娘と強く」

夫の荷物の中に指輪があった。ホワイトデーのプレゼントに、こっそり買ってくれていたらしい。   その夫は今、遺体安置所で眠っている。東日本巨大地震で壊滅的被害を受けた宮城県気仙沼市。同市本吉町寺谷、主婦大原枝里子さん(33)は、夫の顔についた泥をぬぐい、優しくキスをした。     11日午後。自宅で揺れに襲われ、津波から逃れるため、避難所を目指して車を出そうとした。その直前、運送...

【東日本大震災】先生、帰ってきて 29歳高校教諭、生徒捜して津波に

先生、絶対帰ってきて――。   東日本大震災で行方の分からなくなった岩手県陸前高田市の県立高田高校教師、小野寺(旧姓・毛利)素子さん(29)を、夫や同僚教師、生徒たちが案じている。   「自分よりも、他人のことを真っ先に考える先生」と慕われてきた。顧問を務める水泳部の生徒を助けにいき、津波に巻き込まれたとみられる。再び教壇に立つ日をみんなが信じている。  ...

【東日本大震災】どこにいるの僕の家族…小3、カード手に避難所回り

約2千人が避難している宮城県石巻市中心部の市立門脇中学校で15日、段ボールに白い紙を貼り、黒い文字でこう書いたカードを掲げた男の子がいた。   あいさわ かずゆき   のり子   京子   しま ゆうと   ゆうな   石巻市立釜小学校3年の相沢寿仁(としひと)君(9)だ。 父親と母親、祖母、いとこ2人の名前を大人に書いてもらって、自分でなぞった。あの日、一緒にいたが、大...

【東日本大震災】大津波15メートル、屋上の明暗 九死に一生 宮城・南三陸町長が語る

屋上に上がったのは避難ではなく、津波の様子を見るためだった。宮城県南三陸町。   3階建ての防災対策庁舎を濁流が襲ったとき、町幹部と職員約30人が屋上にいた。第1波で約20人がさらわれた。残った10人はさらに押し寄せた7回の波に耐え、生き残った。 いまだに1万人の町民の行方が分からない。街路樹には地上から約15メートルの部分に漂流物がからみつき、3階建ての町営住宅の屋根...