【東日本大震災】思う、祈る、ずっと 東日本大震災4年

■娘の碑、かさ上げで移転へ 岩手・大船渡  

東京都練馬区の瀬尾真治さん(60)と妻裕美さん(56)はこの日も、長男の亮介さん(27)と岩手県大船渡市の越喜来(おきらい)地区を訪れた。

娘が好きだった三陸に通った4年間。娘を奪った海を望む丘が家族にとって大切な場所になった。

海と海の生き物が大好きだった長女の佳苗さん(当時20)は東京の高校を卒業後、大船渡市にある北里大海洋生命科学部に進んだ。だが、あの日、津波から逃れる車いすの高齢女性を助けて、自らは流された。

真治さん夫妻は毎月のように現地を訪れ、佳苗さんを捜し歩いたが見つからなかった。「佳苗に会える場所がほしい」。手を差しのべてくれたのは、地元の人たちだった。

佳苗さんが暮らしたアパート跡から200メートルほど離れた場所を親しくなった人が提供してくれ、昨年3月、石碑を設けた。娘さんは私たちが預かっていますから――。そう言ってくれる女性もいた。

越喜来の人たちとの出会いに感謝したい。友人に囲まれていた娘への思いも込めたい。幅約1・5メートル、高さ約60センチのごつごつした石碑には「友心」と刻んだ。

ただ、ここで娘に会えるのも今月いっぱいだ。県道のかさ上げで立ち退かなければならない。真治さんたちは別の場所に石碑を移そうと考えている。「海を見おろせる静かな場所がいい。娘や自分たちを支えてくれた友がいる、この越喜来なら、佳苗も納得してくれるはず」(阿部浩明)

朝日新聞

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