【東日本大震災】父さんが見つけてやっからな 娘を潜水捜索、宮城・石巻

東日本大震災から間もなく4年。津波に襲われ、今も行方が分からぬ娘の手がかりを求め、自ら海に潜って捜索する父親がいる。

石巻市の成田正明さん(58)。一人娘の絵美さん(当時26)は七十七銀行女川支店の行員で、震災当時、銀行の屋上に避難した。一緒に避難した13人のうち、4人が亡くなり、8人が見つかっていない。

成田さんが潜水して捜索するようになったきっかけは、1年前から海に潜って妻の祐子さん(当時47)を捜す、高松康雄さん(58)の姿。祐子さんは絵美さんの同僚だった。

「絵美ちゃんも一緒に捜してやっから」という高松さんの言葉に、成田さんも「自分も何かしなければ」と決意した。石巻市でダイビングショップを経営する高橋正祥さん(35)の指導を受け、昨年7月に潜水士免許を取得、月1、2回の捜索に参加している。

成田さんの妻、博美さん(54)は絵美さんの携帯電話を今も払い続けている。毎日絵美さんにメールする。「えー(絵美さん)明日お父さん探しに行くからね。早く帰って来るんだよ。ごめんね。会いたいよ」今年のひな祭りのちらしずし、お吸い物、ケーキを絵美さんのために用意した。

絵美さんと共に過ごした自宅は津波で流された。引っ越し先の居間には、等身大の絵美さんの肖像画がほほえむ。

「見つけるのは針の穴を通すより難しいって感じる。けど、私と女房にとって一番大切なもの。それを持って行かれるくらい悪いことしたのかな」。父は娘の姿を毎日見つめながら、今も問いかけている。

朝日新聞

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